怀来 迦南酒业(懐来県Canaan Wineryカナンワイナリー)訪問
訪問日:2026年4月
カナンワイナリーは北京の中心から北西へ90kmの場所にある河北省懐来県のワイナリーで、2006年に設立され、2009年に現在の敷地に落ち着きました。敷地全体の面積は約600ヘクタール、葡萄畑の全体面積は300ヘクタールで、中国最大規模のワイナリーの一つです。

立地と風土
カナンワイナリーは三方を山に囲まれ、霞ヶ浦に匹敵する大きなダム湖と隣接した独特の地理的位置にあります。気候は大陸性気候で風は強く乾燥した環境でブドウの木の病気も少ないようです。北側の葡萄園は標高900~1000メートル、南側は約600メートルで、昼夜の気温差が大きいです。

歴史
1999年に中国とフランスの共同プロジェクトで中法ワイナリー(Domaine Franco-Chinois)が設立されました。そこで中国初のマルスランとプチマンサンが植樹され、マルスランはここのクローンを使って中国全土に広がっていきました。
カナンワイナリーはアメリカを中心とする国際専門家チームを招聘して中国全土の気候や土壌を調べて2009年に現在の地を拠点としました。その拠点は上述の中法ワイナリーに隣接しており2019年に中法ワイナリーを買収し、ブドウ栽培や醸造は別々の管理で製造してます。
カナンワイナリーは2009年から2019年まで植樹や醸造の研究をし、その期間は一本もワインを販売せず、2019年から販売を開始し品質の高さがすぐに受け入れられました。
生産の特色
収穫はすべて手作業で選果は2回で同じく手作業です。100以上の発酵ステンレスタンクを備え、各タンクを個別に温度管理しています。オーク樽は約4000で90%がフランス産、10%がアメリカ産です。


トレーサビリティーも細かく管理しており、一本の瓶詰めワインがどの畑区画でどの発酵タンク、どの木樽で熟成されたのか追跡が可能になっています。
苗木育成所も完備し、自身で台木を行い、ヨーロッパ系とアメリカ系の葡萄を組み合わせて育成・栽培しています。

技術探索
大量生産のワインでは培養酵母を使用していますが、天然酵母も使って技術探索しています。ピノノワールを例として7種類のクローンで別々に栽培、収穫、醸造、自然酵母の発酵、培養酵母の発酵など様々な方法で異なるワインを作って組み合わせを研究し、近々リリース予定です。
主要な葡萄品種
赤ワイン:カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノノワール、シラー、マルスランなど
白ワイン:リースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、プチマンサンなど
受賞・認定
2023年と2024年に「世界トップ100ワイナリー」に選定されました。これは中国ワイナリー初の快挙で世界中からは5000-6000のワイナリーがノミネートされました。2024年には2019シラーが「James Suckling中国トップ100」の第1位を獲得しています。
テイスティング
カナンワイナリーのブランドである詩百篇6種類をテイスティングさせていただきました。詩百篇は杜甫の詩からの引用で李白はお酒を飲んだら100の詩を一気に書くという話にちなんでいます。
2021リースリング
2023ソーヴィニヨンブラン
2021 シャルドネ
2019 ピノノワール
2014 テンプラニーリョ
2019 シラー(James Suckingの中国トップ100の1位)

Edited by 新井達也
JSA公認ワインエキスパート
Vin Euphony代表
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